西条市長玉井敏久氏
 本日、立派な工場が完成した竣工式をお喜び申し上げます。
 平成28年3月にCLT工場を含めた新工場の建設計画を立ち上げてから2年、ここに原木からCLT生産に至るまで一貫生産できる工場が完成しましたこと、重ねてお喜びと共に地域に於ける貢献を感謝します。
 本市には西日本最高峰である石鎚山を背景に豊かな森林地帯には人工林が多く伐期を迎えていますが、林業家の担い手の減少など、森林整備が遅れています。その結果、利用している木材の活用量が低いとされる中で、本工場の稼働で地元林家の活性化につなげる素材の安定供給化の確立を目指すため、関係者の総合力の構築を目指しています。
 本市もCLTの利用は未だ微量ではありますが、市が関係する施設等の構造物への利用促進を進めてまいります。

日本CLT協会長中島浩一郎氏
 CLTは21世紀に入り、木材業界の中でCLTという新しい製品が話題になり始めました。今から3年前に我々3業者でCLTの今後の取組や生産などについた話し合いからスタートしました。今では協会員も341社になり、当サイプレス・スナダヤさんも当初から積極的に参加していただきました。
 本日、当工場が竣工したことは協会にとっても、CLT生産の新エンジンとなって推進力を発揮してくれるものと心強く思っています。CLTの生産目標も2025年には50万㎥を掲げていますが、現状はまだまだ生産量は昨年で5万㎥程度と多くありません。
 また、CLTを用いた物件も昨年当たりで70物件くらいでしたが、今年から来年の秋にかけて建築中の物件は100件を超える右肩上がりで伸びると予測しています。さらにCLTを用いた公共施設或いは高層建築へと徐々にではありますが需要の増加は見込まれています。

 次いで高田健司(株式会社伊予銀行常務取締役と大西哲也(双日建材株式会代表取締役社長)の両氏が祝辞を贈った。
 来賓祝辞の後、新工場をビデオで専務の砂田雄太郎氏が紹介した。続いて機械始動スイッチを高橋幹男工場長が声高くスイッチを押した。そして鏡開き
は12名の関係者の手で一斉に盛運を願って開いた。乾杯は、ポラテック㈱専務取締役の北大路康信氏がユーモア交えて祝杯を上げた。


       会社概要をビデオで説明する砂田雄太郎専務


          CLT工場特設会場で行なわれた竣工式

社長あいさつ
 平成28年8月10日に新工場の建設がスタートして以来、
各位のご協力で本日無事に竣工式を迎えられたことに感謝申し上げます。
 当社が当地「東予インダストリアパーク」に工場を建設するに至った経緯については、6年前に国土交通省より国道延長工事に伴い本社工場の敷地の一部に国道が通る拡幅計画があったことから、この際に新工場の移転計画に沿って建設地や生産設備を如何にするかの検討を始めました。
 当社は長年輸入材を主事業とした製品づくりから、今後は国産材ヒノキを主原料にした集成材を主体にした生産に転換を図る中で、いつの日か参加した会合で、林野庁の担当者から国産材の蓄積量が十分にあり、その資源利活用が課題の内容でありました。その時のきっかけから、国産材を主体に加工する生産設備の工場レイアウトを本格的に検討することになりました。
 併せて本日臨席をいただいた日本CLT協会会長で銘建工業㈱の中島浩一郎社長から、CLTについての話を聞きました。当時私はCLTについては知識も無く、その後、新工場でCLTを生産する事業を夢に描くもののゴーサインを躊躇していたころ、長男で専務の雄太郎から前向きに取り組んで行こう、との力強い意見があり、これを新事業へのチャンスと捉えて、トータルな生産設備と共に、新工場を国産材製材から集成材、加えてCLT生産までの一貫生産ができる工場へと舵をきりました。
 ここに夢のような工場が完成したこと、関係者各位と祝うことを望外の喜びとしております。

 辞  ───────────────────
愛媛県知事中村時弘氏
(上甲俊史副知事代読)
 本日の竣工式をお喜び申し上げます。日頃より県政に協力をいただき感謝いたします。
 本県においては戦後植林したスギ、ヒノキの人工林が伐期を迎えています。これらの豊富な森林資源を活用することが重要な課題となっています。ここに完成した工場が集成材及びCLTの生産が国内最大規模と聞いています。
 主構造材が鉄筋コンクリートに代わる新たな建築材料として注目を集めるCLTの需要拡大や林業の成長産業化につながるとして、来年度もCLT利用による事業の継続を図り林業振興施策を進めていきたい思います。



     祝辞を笑顔で受ける砂田社長・真季夫人、砂田専務・緑夫人


          盛運の願いを込めて威勢いよく鏡開き 

全国初、製材・集成材・CLTを一ヵ所の工場で一貫生産する

新工場全景

① 製材工場

② 乾燥設備

③ 集成材工場

④ CLT工場

⑤ 製品倉庫

⑥ 社員休憩施設

並行(短尺) ・ 直行(長尺)ラミナ 直交仕組み接着プレス (レディネック)

 レディネックのCLT専用構成ライン

 写真左のX-PRESSで圧締後のCLTパネル

エアー式CLTプレス長さ6~12m・幅2.5~3.5m・厚み90~360㎜(レディネック)

 C L T 工 場 ス ナ ッ プ

URL㈱サイプレス・スナダヤ                 2017年7月取材編:製材及び集成材工場整備状況

                                                                    Woodfast '18-4

TOP

 超大型ワイドベルトサンダー CLT表面研磨用3200×270㎜ (アミテック㈱)

(株)サイプレス・スナダヤ(愛媛・西条)新工場竣工祝賀会開く

 製材・集成材・CLTを一貫生産する新工場の完成を目指していた(株)サイプレス・スナダヤ(愛媛県西条市新屋敷甲1171、砂田和之社長)は、建設を進めていた「東予インダストリアルパーク」に構想通りの3工場が完工したことを機に3月16日午前10時30分からCLT工場内特設ステージで竣工式を開いた。竣工式には関係者ら約150名が出席した。
 3工場のメインになる製材機械はドイツのリンク社(LINCK)、集成材とCLT加工機は、スロベニアのレディネック・エンジニアリング社(LEDINEK)と、イタリアのエセットレ社(ESSETRE)のCNC加工機など、主要機械は欧州三ヶ国からの輸入機械で主に構成している。

提供写真

高速フィンガー(レディネック)投入機 (内外工業㈱)

フィンガー出側積取機(スタッカー) (内外工業㈱)

CLT/大断面兼用CNC加工機・マルチ5軸ヘッドタイプ (エセットレ)

 挨拶する砂田和之社長       来賓祝辞の上甲俊史愛媛県副知事        玉井敏久西条市長         中島浩一郎日本CLT協会会長