常日頃、我が国木工機械産業及び合板等木材産業の発展に格別のご理解、ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、我が国合板産業では、間伐等の森林整備の促進、地域経済の活性化、地球温暖化防止等のため、積極的に間伐材等の日本材を活用しており、平成25年には約300万㎥を使用し、我が国合板製造における原木の自給率は約7割となっております。
 今後、「森林・林業基本計画」に基づき平成32年までに500万㎥以上に増大し、木材自給率50%の達成を目指しております。
 しかしながら、我が国の合板供給の約6割が依然として東南アジアや中国からの輸入合板で占められている中で、新設住宅着工の大幅な減少、接着剤や電力料金の値上げ等の生産コストの増大等により、我が国合板産業は大変厳しい経営環境にあります。
 このため、「あらゆるところに国産合板を使用し、木材自給率50%を目指す(AKG50)」をキャッチフレーズに、全国的な国産合板の需要拡大運動を展開しております。
 全国的な国産合板の需要拡大運動を展開しており、特に、コンクリート型枠用合板につきましては、現在、国内で使用されている型枠用合板の約70万㎥が輸入された熱帯林のラワン型枠用合板で、日本材を活用した型枠用合板は約2万㎥となっており、この分野での需要開拓が喫緊の課題となっております。
 日本材の利用のため国内での木工機械等設備投資を積極的に行うと共に、日本材合板等木材・木質建材等の需要拡大に努めており、特に国の補助事業を活用し、研究機関、建設関係団体、型枠事業団体等と連携してラワン型枠と性能、転用回数等について遜色ない日本材を活用した型枠用合板を開発致しました。日本の森林再生、地域経済の成長、地球環境の保護、そして地震や災害から国民の安全と健康を守る国土強靱化に資するため、下記につきまして特段のご高配を賜りますようお願い申し上げます。

1. 工場立地法に基づく合板製造業の規制緩和 (経済産業省)
  現行の35%から65%へ。(繊維板製造業は65%)
  日本材の利用を拡大し、グローバル市場(TPP)に対応。

2.「生産性向上設備投資促進税制」の充実を図る。(経済産業省)
  地球温暖化防止(CO2削減)に貢献する木材関連産業の設備投資資金の低利融資及び減税の大幅な拡充
 「アベノミクス」の三本目の矢である「成長戦略」を推進し、内需拡大と雇用増を図る。

3. 木工機械見本市の健全な発展 (経済産業省、林野庁)
 グローバル市場では見本市(展示会)に国が助成し、出品者の負担を軽減、世界市場の窓口として機能している。

4.「TOKYO国際木工機械見本市/グリーン産業フェア」に経済産業省の後援名義の認可をお願いします。
  (経済産業省) 
   国土交通省、林野庁の後援名義は認可を受けています。

 以下、その背景となる環境並びに問題点を要望致します。

                          記

○合板製造業に係る規制緩和 (経済産業省)
 工場立地法に基づく「工場立地に関する準則」で定められている「敷地面積に対する生産施設の面積の割合」について、現行では合板製造業は35%までしか認められておらず、他方繊維板製造業等その他の製造業は65%まで認められており、環境に配慮した合板産業にとって著しく合理性に欠ける規制となっており、国内での整備投資促進の大きな障害となっております。このため合板製造業については、65%以上とするよう、速やかに準則を改正すること。

○日本材原木の持続的、安定的供給と木材のカスケード利用の推進 (経済産業省)
 合板製造用の原木(B材)の国有林及び民有林からの持続的、安定的な供給が行われること。
また、木質バイオマス発電のための「固定価格買取制度」の推進に当たっては、原木はまず合板等の木材製品の製造用として利用され、パーティクルボード等の再利用を経て、最終的に燃焼されて熱源や発電用に利用されるというカスケード利用が必ず確保されること。
 さらに原木の輸出を抑制し、木材製品の輸出を拡大させるため、政府の輸出戦略目標額について、木材については原木の輸出額を対象外とし、木材製品の輸出額のみを対象としてカウントすること。

○合板産業の更なる成長産業化と地方創生の実現 (経済産業省)
 我が国合板産業の技術革新と熱源・電力の安定的確保等成長産業化に不可欠な、高性能ロータリーレース等の製造機械や、熱電併給施設等の整備に対し支援する森林整備加速化基金、交付金等の関係予算を延長・拡充すること。
 この場合の合板用施設整備については、国、地方公共団体合わせて補助率を4分の3とすること。

○日本材活用のコンクリート型枠用合板の需要拡大  (環境省、国土交通省、農林水産省)
 従来のラワン等の南洋材型枠用合板に替わり、環境に配慮した日本材を活用した型枠用合板の需要拡大が重要であり、このためグリーン購入法に基づく特定調達物品に指定すること。(工事発注仕様書等に「グリーン購入法に基づく指定の型枠用合板を使用すること」と明記する)。
 
上記の案件に対しての決定事項:「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」の変更が閣議決定され、特定調達品目に「合板型枠」が追加された。
 「グリーン購入法に基づく特定調達品目」への合板型枠の追加について

○日本材合板の需要拡大 (国土交通省、農林水産省)
 ・東京オリンピック・パラリンピックの施設等には、合法木材認定の日本材合板を使用すること。
 ・住宅の壁・床・屋根等の構造用部材はもとより、学校等公共建築物、コンクリート型枠、フロアー合板、選挙用ポスター掲示板、土木用敷板等に、積極的に日本材合板が使用されるよう、国、地方公共団体、関係団体・業界等を対象とした需要拡大のための施策が実施されること。
 耐震性、耐久性、省エネ性、耐火性等に優れた合板等木材・木質建材等の開発、及びその活用のための技術開発を促進すること。

○住宅建設の促進 (国土交通省)
 低迷する住宅建設の促進のため、消費税増税に当たって、住宅関連事業は課税対象外とするか、増税相当分の負担軽減措置を講ずること。

 以上、諸案件について、ご検討の上、是非実現されん事を要望致します。



                              
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合板製造業に係る規制緩和(生産施設の
面積割合を65%以上に)を柱とする要望書

日本木工機械協同組合・日本合板工業組合連合会 連名で提出
要望書を手渡す左から日本合板工業組合連合会・川喜多進専務理事、高木陽介
経済産業副大臣、日本木工機械協同組合・原口博光理事長、同・高橋治事務局長
woodfast '15-2
 日本木工機械協同組合(東京都港区芝公園3-5-8機械振興会館、原口博光理事長)は日本合板工業組合連合会(東京都千代田区三崎町2-21-2、井上篤博会長)と連名で、2014(平成26)年11月13日に高木陽介経済産業副大臣兼内閣府副大臣に対して合板製造業に係る規制緩和(生産施設の面積割合を65%以上に)を柱とする要望書を手渡した内容を下記に掲載する。。
 ちなみに提出していた要望書の内から、2015(平27)年2月2日の定例閣議で、コンクリート型枠用合板のグリーン購入法(特定調達物品)が決定した。他に「TOKYO国際木工機械見本市/グリーン産業フェア」が経済産業省後援の名義使用の認可が決定した。
要 望 書