　我が社の工場には数多くの輸入機械が稼働していますが、中でも日本で知られているホマッグを筆頭に、ヴァイニッヒ、マーチンなど各社のトップクラスの機械が数十台活躍しています。なぜヨーロッパ製かといえば、我が社が必要とする機械は日本のメーカーでは残念ながら生産されていないので、そのためヨーロッパ製の機械に頼らざるを得なくなっているのが実状です。
　設備計画の一環として一昨年から、まず造作部門の加工の充実を図るため、ホマッグを中心にＣＮＣマシニングセンタを十数台入れました。またＣＮＣマシンのみでなく切削部門にヴァイニッヒのモルダーを３台設置済みのほか、マーチンのスライドソーとスピンドルモルダーなど稼働中の機械が多くあります。
　年初には引き続きヴァイニッヒのモルダー・パワーマットをはじめ、オプティカットソー、ヴァリオリップや成型刃用研磨機が、さらにはホフマンの日本でいうところの留切り用の複合機が２台、定盤４メートルの手押鉋盤やワコーのバンドソーなどの導入を図り、造作部門のおおよそ計画通りの設備が完了となる予定です。
　こうして機械設備に投資したのは、技能工の減少によって施工現場での木工加工が、ますます難しくなる状況にあるから。そのため工場で部材を精度よくプレカットして現場で施工する方法をますます取らなければなりません。
　それらの理由から設計段階で施工方法についての打ち合わせがとても重要となります。例えば、ここの壁面はブロックにしてはとか、ここはユニットにしてはどうですかと、主に非住宅系の工事の場合に行なう工法のミーティングが元で部材設計図が製造指示書となり機械加工に回される。そこでフル装備した諸機械が高精度に活躍してくれる結果となって、施工方法や仕上げの良さが評価される一因になっています。ちなみに前期内の高機能化に要した設備投資はトータルで約３億円を超える額をみています。
　さて、我が社は総合的に建築工事全般と一括りにしている業種です。では、おたくの会社は何を作っている会社ですか、と問われれば“毎日が新しい物造りばかりです”と答えるでしょう。（と笑顔で答えてくれた。）

　初輸入したWEBER社の６連サンダーKSF-1350の
　試運転に立ち会う末永社長

新設中の塗装室前に設置した塗面研磨用２連サンダー
　　　　　　　　　
　　　　　　　　URL：WEBER sanding machines

熊野古道センター　(三重県尾鷲市)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Woodfast '17-1

愛知万博・遊歩道展望台 (上下)　(愛知県長久手町)

谷汲小学校　(岐阜県揖斐川町)

第二工場　サイロ井上電設㈱

第二工場内・再割用製材機

第二工場　塗装室

ボーリング・ダボ打ち機　弥栄鉄工㈱

郡上八幡スポーツセンター　(岐阜県郡上市)

高品質への投資＝機械設備の充実を図り、
創造する造作製品を目指す

株式会社末永製作所（岐阜・揖斐川町）を訪ねて

　　　　　　　　　施　工　実　績　の　ひ　と　こ　ま 　(写真：同社HP転載)　

・社員数　　 130名
・敷地面積　28,000㎡
・建物面積　18,000㎡ (本社屋・全工場)

◇会社概要
・創　業　1949(昭和24)年2月
・設　立　1972(昭和47)年1月
・資本金　9,800万円
・売上高　2016年9月：46億8000万円

◇事業内容
・内装仕上工事・大工工事　　　　　　(売上構成　40%)
・特注木製家具製造及び家具工事　(　　〃　　　35%)
・木質構造工事　　　　　　　　　　　　　(　　〃　　　15%)
・木製建具製造及び建具工事　　　　(　　〃　　　10%)

ＮＣルーター　庄田鉄工㈱

ＮＣルーター・プレナー　㈱平安コーポレーション

上下面サンダー　アミテック㈱

４面サンダー　アミテック㈱

モルダー HYDROMAT （WEINIG）

本社事務所・第一工場

名古屋能楽堂 (上下)　(名古屋市中区)

サラマンカホール　(岐阜県岐阜市)

　1949年2月の創業から建具職一筋に歩み、今では建築一式・大工・内装仕上げ・建具など精緻な仕上げを誇る技術を継承するメーカーの(株)末永製作所〈岐阜県揖斐郡揖斐川町房島1822-3、末永治生社長、TEL0585-22-0778〉を訪ね、日本で初輸入となるドイツ・WEBER社（HANS WEBER Maschinenfabrik GmbH）のサンダー２機種を導入した経緯について末永社長に聞いた。
　まず我が社が生産する木材加工製品は、建築物件の発注者側からは職別専門工事の分類で木工事部門となる。その工事部門を請け負う我が社は構造用集成材加工から造作家具、建具と内装の工事を含めて一括受注した上で、設計図を元に工場生産から現場施工まで一貫して作業することを業務としています。

　
　　設備投資について熱つく語る末永治生社長

　日本で初輸入のサンダー２機種導入について　
　今回のサンダーの輸入については、当然、国産のサンディング機械は用途別に数機使用しているが、今後の加工ニーズや製品開発に対応できることを条件に機種の選定で考慮した結果、ドイツのWEBER社のサンダーに決めました。
　導入したサンダーは２機で、一機は４連で厚み規正から仕上げサンディングと、２軸のドラムユニットよる浮造り加工と表面フィニッシュまでトータルに加工できる６連式タイプを第二工場へ設置しました。あとの一機は塗面研磨用２連式ワイドベルトサンダーで、第一工場に新設中の塗装ブース前に設置したばかりです。今、工場にはWEBER社から派遣された技術者が、担当従業員に取扱い操作の指導をしているところです。

　WEBER社の技術サービス員(右)から、６連式サンダー
　の操作指導を受ける担当者たち
　　
　６連構成右から＝１→２連ワイドベルトサンダー
　　　　　　　
　　　　　　　３→４連ワイドベルトサンダー
　　　　　　　５軸浮造り→６軸フィニッシュブラシ