在日ドイツ商工会議所副専務理事
マークゥス・シュールマン氏
 貴会はドイツメッセと密接な関係にある。メッセへ
の参加は、国際ビジネスの一員になることが可能と
なる。インターネット、デジタル化においても対面式
のアナログスタイルは消えない。見本市に参加し、
最新の技術や革新の情報を得る事が重要で、国際
化に臨む時、見本市を視野に入れて欲しい。
  全国の輸入木工機械販売業者28社で構成する日本輸入木工機械協会JWTA(愛知県大府市桃山町1-138、安居実会長=ホマッグジャパン㈱社長、0562-85-4139)は、6月19日、午後6時30分から東京都千代田区飯田橋1-1-1のホテルグランドパレスで協会創立50周年記念パーティーを開き、関係者ら82名が出席した。
 記念パーティーを前に報道記者会見で、協会創立の経緯と今後について安居会長から説明を受けた。以下はその要旨。
 
   記者会見の席右から川上健副会長、安居実会長、安田明義事務局長
 
 本日の記念パーティーは、当協会が1965(昭和40)年に創立して以来、初めての催しとなります。遡ること1964(昭和39)年当時は、マンションブームが本格化し初めて室内の家具や建具そして造作ものの大量注文に対応するために、より機械化を進めなければならない状況になった背景があります。今も社会的使命として欧米の新しい技術を日本に紹介し、ユーザー各位の生産設備のニーズに応える姿勢は全く変わらないものがあります。
 今後は、国内の労働人口は半世紀もすれば半減する見通しに対応するためには、ますますIT化を利用して労働生産性を上げることが急務であります。次に新築住宅着工件数と木製家具の生産量や木工機械の新規需要の3市場は、あと15年も経てば半減するであろうと予測されています。加えて人口減少の要因によるマーケットの縮小に繋がる状況になると考えています。
 また、木製家具の市場で見ると国内生産が80%、輸入が20%の現状の割合が、あと数十年もすれば輸入家具が50%を占めてしまう場面が予測することができます。なおかつ輸出はゼロに近い状況を変えることは難しいと思われています。
 さらに第4次産業革命といわれる「インダストリー4.0」の波が押し寄せてくるであろうと、大まかに言えばコンピューターが自動的に最適な生産計画から全てを立ててしまいます。結果として在庫はゼロ、単品生産の増加、受注後の時間の短縮、エネルギーの削減など「スーパースマート工場」に進化して大きな効果が得られるとしています。
 協会としても、未来の責任として国内において、いち早く対応していく新技術の導入に貢献することを使命と考えています。合わせてサステナビリティ(sustainability)な社会の構築に寄与していきたいと思います。
経済産業省製造産業局産業機械課課長
佐脇 紀代志氏
 高度成長期に創立して、当時は国産機械振興の
施策の中、様々な時代を越えられ、木工産業を支
えてこられた。国内の木工機械は欧米の木工機械
に学びながら品質向上を目指して、共に成長を願
い励んできた貴会の牽引力が大きいと思う。さらに
木工機械業界の基盤を強めていただきたい。
(一社)日本家具産業振興会会長 加藤知成氏
 この春「旭日中授賞」という栄を受けたが、私個人
ではなく家具産業全体に励みを戴いものと考えて
いる。家具メーカーとして、木の文化の国に育った
感謝と技術を継承しながら、この先も不断の努力を
重ねて行かねばと思っている。
 当社も輸入機械を相当導入して使用しているが、
国産メーカーにもなお一層の努力を期待している。
会場のホテルグランドパレス(東京・九段)
     北海道・林産試
     開場20周年の「木工機械実演展」にJWTAが協賛


 日本輸入木工機械協会(JWTA)が創立した4年後の1969(昭和44)
年、当時の北海道立林産試験場(旭川市緑町12)が、開場20周年記
念行事に「木工機械実演展」を計画していた。
 この計画にJWTA副会長の山下裕郷(ひろさと)氏(ウェスターントレ
ーディング㈱常務)が賛同した。そして翌1970(昭和45)年の8月24~
30日の7日間、場内で開催の同展に輸入機械を展示した。その時の
一部を紹介しよう。                 
(出典:林産試だより)
                                                                     woodfast'15-7
ワルター・ヘンペル社の
6軸コッピングマシン
ホットメルトタイプの単板縁貼機
ウィリー・ホフマン社の
フィンガー・ジョインター
アドルフ・フリッツ社の
ショートサイクル連続プレス
 日本輸入木工機械協会
  創立50周年記念パーティー開く
林野庁林政部木材産業課課長 小島孝文氏
 輸入木工機械は、木材産業に多大な貢献をされ
てきた。伐採した木は柱材や板材に加工して始め
て活用できる。この加工に必要な木工機械は、先
進性と技術力を発揮する使命を担っている。
 今、森林資源をフルに活用する、そして林業の成
長化を図っていく、今後の木材利用の拡大や活性
化を進める上で、貴会に期待するところが大きい。
(一社)日本木工機械工業会理事長 井本希孝氏
 貴会が1965(昭和40)年に創立の後、我が国産機
械メーカーは1960年代から海外に目を向け、最先
端の機械を学び、見習い作ってきた。そして輸入機
械に追いつき追い越せを合言葉に今がある。今は
輸入機、国産機も夫々の分野において競い、今後
も木材のサスティナブルな利用と併せて業界の活
性化を如何に持続させるかが責務と思っている。
  (来賓写真:協会事務局)
乾杯の発声
全日本木工機械商業組合理事長 桑原柾人氏
 木工機械は、海外も国内のメーカーも共に素晴ら
しい。この両者を融合させて木工産業のガラパゴス
化を防ぐには協会員の奮闘に掛かっていると思う。
益々の木工産業の発展と木工機械業界の貢献を
祈念する。
式次第は、協会員の福本寛之氏(㈱フクモト社長)の司会で行われ、
開宴に先立ち安居会長より、50周年記念パーティーに多くの出席者へ
感謝の言葉を述べた。なお、祝辞は次の各氏。(要旨)